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映画「花束みたいな恋をした」の総合解説
映画『花束みたいな恋をした』の
ラストシーンで、絹と麦が
泣いている理由が違う意味とは?
また、伏線のトイレットペーパー他
あらすじネタバレ、解説と考察などを
掲載しています。

作品概要
2021年に公開された本作は、土井裕泰監督、坂元裕二脚本による現代の恋愛映画です。「東京ラブストーリー」や「カルテット」で知られる坂元裕二の繊細な脚本と、菅田将暉と有村架純という実力派俳優の共演で話題を呼びました。
ストーリー展開

物語は、京王線明大前駅での偶然の出会いから始まります。
終電を逃した山音麦(菅田将暉)と八谷絹(有村架純)は、音楽や文学など、驚くほど多くの共通点を持っていることに気づきます。
大学生活から社会人となっていく4年間の時間軸で、二人の関係性の変化が丁寧に描かれていきます。
同棲を始めた二人は穏やかな日々を過ごしますが、就職活動や社会人生活を通じて、それぞれの価値観や人生の方向性に微妙なズレが生じ始めます。
この過程で描かれる葛藤や成長は、現代の若者たちが直面する現実をリアルに映し出しています。
作品の特徴とみどころ

- リアルな描写:
- 日常会話や仕草の自然な表現
- 同棲生活での些細な喜びや困難
- 就職活動や社会人生活における現実的な課題
- 演技と演出:
- 菅田将暉と有村架純による自然体の演技
- 二人の化学反応が生み出す説得力のある恋愛模様
- 繊細な感情表現と関係性の変化
- 芸術性:
- 美しい映像による東京の街並みの描写
- 季節の移ろいを通じた心情表現
- 大友良英による印象的なBGM
- 作品内で登場する音楽や文学作品との関連性
テーマと意義
この作品は、単なる恋愛映画の枠を超えて、現代社会における若者たちの生き方や選択の問題を深く掘り下げています。
特に以下のような普遍的なテーマを提示しています:
- 夢と現実のバランス
- 他者との関係性における成長
- 価値観の変化と向き合い方
- 人生における選択の重要性
本作は、甘い恋愛描写だけでなく、現代を生きる若者たちの等身大の姿を映し出すことで、多くの観客の心に深い余韻を残す作品となっています。
特に20代から30代の視聴者にとって、自身の経験と重ね合わせながら観ることのできる、深い共感を呼ぶ映画です。
キャスト

山音麦:菅田将暉
八谷絹:有村架純
羽田凜:清原果耶
水埜亘:細田佳央太
原田奏子:瀧内公美
小村勝利:萩原利久
若槻花織:穂志もえか
加持航平:オダギリジョー
押井守:押井守
土志田美帆:PORIN(Awesome City Club)
八谷早智子:戸田恵子
八谷芳明:岩松了
山音広太郎:小林薫
他
泣いている理由が違う
20代特有のズレていく価値観の違いをお互いが
じゅうぶん理解実感し、好きだけど一緒には
いられないせつなさからの涙と思われます。
特に片方が、学生~就職もしくは社会に出る
ときにズレがちになり、学生気分の抜けない
パートナーから気持ちが離れ、同じものを
好きでい続けられなくなったりしますね。
二人の涙の意味をもっと詳しく

シーンの状況: 友人の結婚式後ファミレスで別れ話をする麦と絹。
昔よく自分たちが座った席に入ってきた若いカップルを目にしたことをきっかけに、二人はともに涙を流します。しかし、その涙に込められた意味は、それぞれ異なっています。
絹の涙の意味: 絹の涙には、以下のような複層的な感情が込められていると思います。
- 過去への向き合い方:
- 麦との4年間を「かけがえのない思い出」として受け入れている
- 懐かしさと温かみを伴った感傷
- あの頃の「好き」同士には戻れないせつなさ
- 現在の心境:
- 涙を流し、過去を美しい一章として受容しようとしている
麦の涙の意味: 麦の涙には少し異なる感情が表れているように思います。
- 未消化の感情:
- 若いカップルと同じ「好き」が自分にもあったという気づき
- 仕事に追われすぎ、目の前の人を失ってしまった後悔
- 絹への未練や喪失感
- 現在の心境:
- 取り返しのつかない現実への直面
- 絹の気持ちを戻せない複雑な感情
- 自身の未熟さへの気づき

シーンの深い意味: このラストシーンは、同じ恋愛を経験しても、その後の受け止め方や成長の仕方は人それぞれ異なることを繊細に描き出していますね。
二人の涙は、恋愛における「終わり方」と「その後の人生」について、深い示唆を与えています。
それは決して優劣を表すものではなく、それぞれの人生の歩み方の違いとして描かれており、この作品の持つ深い人間理解を象徴的に表現していると感じます。
トイレットペーパーの伏線分析
象徴的意味の概要: トイレットペーパーは、この作品において二重の象徴性を持つ重要な小道具として機能しています。
具体的なシーンと意味

出会いと同棲初期
- 二人の価値観の一致を示す象徴
- これから始まる関係性への期待の表現
トイレという日常空間を表すトイレットペーパーを、二人で同じ量を持つ最初の方のシーンに、二人がこれから一緒に価値観を共有し、日常を送っていくのだろうという暗示的な意味が込められていたのでは?

伏線としての効果
同棲直後には、麦がトイレットペーパーを持ち、絹が花束を持つというように、導入部とは違いお互い別々のものを持っていることから、これからズレていく価値観を象徴しているような示唆があります。
トイレットペーパー=日常、現実の象徴
花束=夢、理想の象徴
トイレットペーパーという日常的なアイテムを通じて、以下のような要素が巧みに表現されています。
- 関係性の進展と変化
- 二人の価値観の共有と乖離
- 未来への期待と現実
- 別れの必然性
作品全体における意義
この伏線は、現代の恋愛における「日常と非日常の境界」「関係性の移ろい」を、誰もが知る身近なアイテムを通じて表現することで、観客に普遍的な共感を呼び起こす効果を持っているような気がします。
些細な日用品に込められた深い意味性は、この作品の特徴である繊細な心理描写を支える重要な要素となっています。
おまけ:さわやかチェーンのハンバーグ

私は関西人ですが、出張の際に静岡に行ったときに、知人にさわやか本店へ連れて行ってもらいました。
1時間ほど待ちましたが、行列ができるのも納得です。
それまで食べたハンバーグの中でダントツに美味しかったです。
二人は残念ながら食べれませんでしたが、その後お互い知らない間に別の人と行ったというのが、なんともせつないですね^^;
関連リンク
花束みたいな恋をした 公式サイト
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